病害虫対策など毎月の講習会で実践への移行がスムーズに

2014.01.23


隣の草加市や東京都内からの利用もある「でわ村ガルテン井出農園」=埼玉県越谷市【拡大】

 農家が自ら開設して運営し、栽培を指導する農業体験農園は全国に存在する。全国農業体験農園協会(NPO法人農園協会)に加盟する農園は、2014年1月現在、約120。埼玉県越谷市の「でわ村ガルテン井出農園」もそのひとつで10年春に開園した。「でわ村」は、北葛飾郡出羽村というかつての地名に由来する。

 東京・練馬方式とは異なり、自治体の支援を受けない体験農園だ。園主の井出修さんは、勤めていた自動車メーカーを定年退職。兼業農家として主に自家消費の野菜を栽培していた農地を活用し、体験農園を始めた。

 「練馬区の体験農園を見学し、運営方法などを教えてもらうといったことで退職前から準備していました。両親のもとで身近に農業に携わってきた経験が生かせるという思いもありました」

 自宅に隣接している農園は、1区画20平方メートルで50区画ある。利用料は年3万1000円(入会金が別途2000円)。他の農業体験農園と同様、この利用料には種苗や農具、資材、肥料、農薬のほか、講習会費用も含まれる。越谷市民だけでなく、近隣の草加市や東京都内の在住者も利用しているという。

 春と秋の2回の作付けで、年間20〜25種類の野菜を栽培し、収穫できる。この野菜づくりで井出さんが重視しているのが講習会だ。3月の土づくりに始まり、ジャガイモ・ホウレンソウなど野菜別栽培講習や病害虫対策、農薬の取り扱いなどをテーマに毎月開く。しかも、自宅の一室を講習会室としてスライドを利用して行っている。

 「見ていただくことで利用者の習得も早く、区画での実践もスムーズです」と井出さん。利用者は40〜50代のサラリーマン層と60代以上のリタイア層が大半を占める。

 利用者の1人、相澤知博さん(43)は、農園からクルマで10分の越谷市内在住者。「こうした貸農園の利用は初めてです。手ぶらで来られて、週末の作業で年間20種類以上の野菜を栽培し、収穫できました。とてもいい経験になっています」と話す。

 4年間の経験を踏まえて井出さんは、入門編として親子で参加できる野菜づくりのイベントを年に数回行う一方、経験者を対象にした上級編として、自主栽培計画に基づいて作付けをする区画の開設も計画。利用者の裾野を広げるなど、ニーズの多様化にきめ細かく対応していくことにしている。

 ■川上清市(かわかみ・せいいち) フリージャーナリスト。1954年、長野県松本市生まれ。学習院大法学部卒。日本工業新聞などの記者を経て、88年に独立。著書に『自然・食・人とふれあう市民農園ガイド』(産学社)など。

 

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