【喫煙を考える】お年寄りの楽しみを奪っていいのか 厳しさを増す喫煙環境

★(下)

2014.01.30


写真はイメージ(一部画像処理しています)【拡大】

 高齢化、長寿化が進む中、快適で安心な暮らしをサポートするのは若い世代の大事な役目だ。愛煙家のための喫煙環境もその1つ。たばこを取り巻く環境は年々厳しさを増しているが、長年喫煙を習慣にしてきたお年寄りから、その楽しみを簡単に奪い取っていいものか。昨日に続き、有料老人ホームなど高齢者施設の喫煙事情を探ってみた。

 東京都杉並区の閑静な住宅街にある介護付き有料老人ホーム「もみの樹 杉並」(鈴木利香館長)は、1階ダイニングルームの横に分煙設備の整った立派な喫煙ルームを設置している。各居室をはじめ全館禁煙だが、喫煙者に負担がかからず、食後の一服を手軽に楽しめるよう、この場所に設けた。部屋は密閉されているので、ニオイや煙が外に漏れることはない。

 「要介護度が進むうちにたばこを吸わなくなるのが一般的ですが、楽しみたいうちはできるだけ楽しんでいただきたい。喫煙ルームはそのための設備です」と鈴木館長。

 「入居者とお見舞いに来た方が一緒にそこへ入り、たばことおしゃべりを楽しんでいる姿は微笑ましいものです」

 現在例はないが、認知症のある人が喫煙する場合、普段は事務所でたばことライターを預かり、必要な時のみ手渡すというルールもある。同ホームは、オール電化を採用するなど、安全・快適な住環境づくりに大きな力を注いでいることで知られる。

 昨年、それまで掲げていた受動喫煙防止条例案を白紙に戻した大阪府で、ひとまず胸をなでおろした有料老人ホームがある。「喫煙可」で入居している人が少なくないからだ。

 「以前、長年吸っていたたばこをやめたら生活に張りがなくなったという入居者がいました。結局、禁煙の誓いを破って再び吸い始めると、たちまち元のハツラツさを取り戻したんです。そんな例もあるので、愛煙家のお年寄りからむやみにたばこを取り上げることなどできません」とスタッフはその理由を明かしてくれた。

 こんな話を聞くと、決してたばこは“百害あって一利なし”とは言い切れない気がしてくる。お年寄りの権利を尊重するためにも、さまざまな施設や場所で喫煙環境の見直しが行われていくといいのだが。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!