政治生命かけて民意問う橋下市長 国政では安倍政権と共同歩調も

2014.02.07

 橋下徹・大阪市長が、市長辞職と出直し選挙への出馬を正式に表明した。今後の都構想や市政はどうなるのか。そして政党としての日本維新の会の今後や、安倍晋三政権との距離感にどんな影響を与えるのだろうか。

 この時期になぜ出直し選挙なのかといえば、大阪市議会では、維新を除く自民党、公明党、民主党、共産党が大阪都構想の区割り案に反対または慎重な姿勢で、事実上、住民投票プロセスができなくなった。これを政治的に打開するためだ。

 特に、公明に対しては、住民投票まではやらせるという交換条件で衆院選などで配慮したとされるにもかかわらず、裏切られたという思いが、橋下氏の闘争力に火を付けたようだ。

 市長選挙なので、市議会会派の構成が変わるわけでなく、橋下氏が再び大阪市長になっても、住民投票が実施できる保証はない。小泉純一郎元首相の2005年の郵政解散のように、民意を問いたいという一心であるが、その民意いかんでは、橋下氏は政治家を辞めるかもしれない。

 こうした橋下氏の政治姿勢に対して、大阪市の自民、公明、民主はどのように対応するのか。基本は「無視」のようだ。市長選でもあえて対立候補を立てずに、事実上、橋下氏の「再選」を容認するという。できるだけ市長選を目立たなくする作戦のようだ。

 となると、市長選が行われても、市議会への影響は限定的かもしれない。いずれにしても、民意が橋下氏を支持するのか、市議会を支持するのか、ねじれ現象は簡単に解消しないかもしれず、持久戦の様相になってくるだろう。

 もし、これで橋下氏の政治的な影響力が失われれば、維新の会は最悪の場合、東西で分裂状態になる。こうなると、野党再編への動きも失われかねない。一方で民意を回復できれば、橋下氏の力が復活して、維新も上昇気流に乗る可能性がある。

 いずれにしても、今回の話は、大阪という地域の話で、安倍政権との距離感という国政レベルの話とは別である。仮に、大阪で維新が自民、公明と対立しても、国政レベルでは維新が安倍政権と共同歩調を取ることは十分に考えられる。

 特に、国政レベルでは、集団的自衛権が問題になっている。中国が露骨に海洋進出を公言し、沖縄県の尖閣諸島を「核心的利益」と称している国際情勢を考慮すると、米国との同盟関係がより重要になるので、安倍政権としては集団的自衛権について従来の政府解釈の変更を検討している。

 集団的自衛権に関しては、公明より、みんなの党や維新の方が距離感が近い。

 安倍政権は、みんなの党を「責任野党」と呼んだ。あくまで野党だから連立はないのだが、政策協議に値する相手とみたわけだ。維新も、これまでの言動では改憲や集団的自衛権について安倍政権と距離が近いので、大阪市長選の問題とは別に、粛々と政策協議を模索していくことになるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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