秘密の隠れ家だからネットに載せないで−。飲食店の情報投稿サイト「食べログ」にバーの写真などを掲載され損害を受けたとして、大阪市の飲食店経営会社が、掲載情報の削除と330万円の損害賠償を求めた訴訟。サイトを運営する「カカクコム」(東京)は19日の第1回口頭弁論で争う姿勢を示したが、無断掲載などをめぐってトラブルが相次ぐ「食べログ」。裁判が注目されている。
また食べログが訴えられた。訴状などによると、バーは2010年から大阪市内のビル2階で営業。インターホンを押して扉を開いてもらうシステムで、店内は水槽を飾ったバーラウンジが広がり、意外性で客を驚かせる演出をしており、客に店の情報を口コミサイトに投稿しないよう求めていた。
しかし、昨年夏ごろ、店側が写真などの情報がサイトに投稿されているのを確認。演出の意図や営業方針を伝えた上で情報削除を求めたが、カカクコムは投稿者の「表現の自由」を理由に応じなかった。
店側代理人の川畑真治弁護士は「店の意向に反し、削除要請に応じないのは問題だ。演出が損なわれ、営業権の侵害に当たる」と主張。一方、カカクコムは大阪地裁で開かれた口頭弁論で「店の評価という表現の自由に対する過度の制約」として、請求棄却を求めた。
真っ向から対立する両者。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「ネットは一度情報が掲載されると消えないことから、ヨーロッパでも『忘れられる権利』の議論が活発化している。今回は典型的なケースだ。何でも情報をネットに載せる自由と、ネットに載せてもらわない自由とのバランスをどうはかっていくのかは難しい。今後、裁判例の積み重ねなどで、ルールが定まっていくだろう」と話す。司直はどう裁くのか。




