話し声の再現に「その人らしさ」加味

★作業療法士・本間武蔵さん(2)

2014.03.13


本間武蔵さん【拡大】

 難病のALS患者が自分の声でコミュニケーションできるソフト「マイボイス」を開発したのは、都立神経病院の作業療法士・本間武蔵さん(51)と脳性まひで言語障害もある長崎在住のプログラマー・吉村隆樹さん(48)である。

 2004年、障害者向けのパソコン操作支援ソフト「ハーティーラダー」を無料公開していた吉村さんに、「そのソフトに声をのせられないか?」と問い合わせたのがきっかけだった。11年夏、ハーティーラダーにマイボイスの画期的な機能が加えられた。

 声を失う前に「あ・い・う・え・おの50音や濁音など基本となる124の音の素を本人の声で録音する」だけ。「時間との闘い」という進行性の病気であるALS患者の身を深慮して収録は10分そこそこ。だが「単音素の連続再生」という仕組みのため、完全に話し声を再現できるわけではない。

 「まず聞き取れること、そして、その人らしさ」を課題に研究を重ね、50音を「無理につなげ合わせない」工夫を加えた。例えば「とっきょ」の「っ」を「無音の長さ」に置き換えることで「特許」の言葉を明確にする。単音以外に「口癖」や「日常用語」を単文として録音し、「その人らしさ」も加味した。

 9年に気管を切開し声を失った学習院大学名誉教授、篠沢秀夫もマイボイスで講演活動を再開。

 篠沢教授の場合は、かつて製作された「フランス文学講座」全6枚のDVDが素材となり、本間さんはこれを半年かけて1万2000語に分類、「篠沢教授発言単文辞書」として録音し直し、吉村さんがソフト化した。

 「これは篠沢さんの身体の一部です」という本間さんの言葉が耳に残った。

 ◆都立神経病院 東京都府中市武蔵台2の6の1 (電)042・323・5110

 ※本間さんとALS当事者による講演会『ALS患者本人の声の保存と活用〜自分の声をのこして使う』が、3月14日(金)13時30分〜15時、上智大学四谷キャンパス中央図書館(JR・地下鉄四ツ谷駅前)で開催。無料で事前申込み不要。

 ■谷口和巳(たにぐち・かずみ) 団塊世代の編集者。4つの出版社を転籍、19の雑誌に携わり、編集長として4誌を創刊。団塊世代向け月刊誌『ゴーギャン』元編集長。『女優森光子 大正・昭和・平成−八十八年激動の軌跡−』『帝国ホテルの流儀』(共に集英社)などの書籍も手掛ける。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!