安倍カラー満載の14年度予算 財政赤字改善も増税の悪影響カバーは…

2014.03.27

 国会審議で集団的自衛権やNHK問題が目立つなか、20日の参院本会議で2014年度予算が自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。予算の年度内成立は3年ぶり、戦後3番目の早さである。

 一般会計総額が95兆8823億円と過去最大であるものの、基礎的財政収支赤字は18兆円となり、赤字幅は前年度の23・2兆円から5・2兆円改善している。これは、景気回復によって税収増が見込めるためだ。この点は、安倍晋三政権が推進してきたアベノミクスの最も貢献が大きい点だ。

 個別の予算をみると、沖縄振興費は、13年度当初予算(3001億円)比で15・3%増で、概算要求額(3408億円)も上回る3460億円。米軍普天間基地の移設先の名護市辺野古沿岸部埋め立てを仲井真弘多知事が了承したことへの報いだ。

 防衛予算は、4兆8848億円と13年度当初予算(4兆7538億円)比で2・8%増。中国では軍事費の伸びが著しいが、タカ派といわれる安倍政権での伸びは抑制的だ。これも安倍カラーだといえよう。

 一方、公共事業費は、5兆9685億円と13年度当初予算(5兆2853億円)比で12・9%増の大盤振る舞い。消費税増税を後押しした公共族の要請を受けた形だ。同時に、消費税増税に伴う景気の落ち込みを公共事業で補いたいという思惑もある。

 ただし、公共事業は、すでに供給制約の壁にぶち当たっている。このため、予算の執行状況について、執行時期や規模の具体的な数値目標を定める方針だが、目先の供給制約はいかんともしがたく、目標を定めたところで、どうにもならない。むしろ、目標合わせの小細工を誘発しかねず、建設資材価格の急騰すら招きかねない。

 消費税増税の影響について、最近、駆け込み需要が予想ほど大きくないので、その反動減もたいしたことないという楽観論が新聞報道されている。この論調の大きな誤りは、消費税増税そのものが持っている消費減少効果を考えていないことだ。

 駆け込み需要が本来であればあるはずなのに、4月以降の消費税増税を控えて、駆け込み需要さえ奪っていると解釈することもできる。消費税増税があるので、浮かれて消費している場合ではないというメッセージかもしれない。

 また、企業経営者へのアンケート結果を受けて、「消費税増税後も景気は大丈夫」という論調もある。しかし、経営者は聞かれれば、自社の経営について問題ないと言わざるを得ない立場だ。経営者は自社の経営に関心があり、しかも弱音はいえないので、そうしたアンケートはあまり当てにならない。

 今年の年末に、10%への再引き上げの可否を安倍首相は決断する、その際、新聞業界が切望する軽減税率についても決まる。かといって、消費税増税の楽観論を今の段階で言っても意味ないだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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