篠笛 日本古来の楽器で“心を音に乗せて伝える”

2014.03.27


佐藤和哉さん【拡大】

 篠笛は、日本の民俗芸能の歴史の中で生まれた竹製の横笛で、竹筒に穴を開けただけのシンプルな楽器。お祭りで聴く、あの懐かしい笛の音色である。

 宮廷雅楽に用いられた「龍笛」や能舞台で使われた「能管」とは違い、篠笛は神楽、獅子舞、文楽、歌舞伎、浄瑠璃など庶民の間で親しまれてきた。

 「素朴な作りの楽器だからこそ、奏者の心のあり様がそのまま音色に出ます」と篠笛奏者・佐藤和哉さん(32)は、澄んだ目で語る。

 佐賀県唐津市で生まれ、少年期はピアノ、ドラム、ギターの弾き語りなど音楽に没頭した。中学生のころ「唐津くんち」の囃子で吹いた横笛体験が、佐藤さんの「和」にこだわる原点となった。

 哲学科に在籍した学生時代に旅した中東トルコで、その国の伝統音楽に触れて「日本古来の楽器で、今の世の中に受け入れられる音楽をやりたい」と思うようになったという。

 横笛の第一人者・西川浩平、和太鼓集団「鼓童」の篠笛奏者だった狩野泰一に師事、本格的に篠笛奏者の道を歩む。

 2012年6月、笛吹童子の像がある創建1300年の薬師寺東塔解体式典「宝珠降臨法要」で献笛を務めた。

 唱歌や童謡を独自にアレンジしたりしながらオリジナル曲を作り始め、初アルバム『ふうちそう』が誕生。その中の1曲『さくら色のワルツ』は人気デュオ・ゆずの北川悠仁から「曲を(モチーフに)使わせてほしい」と声がかかり、ゆずの歌が乗ってでき上がったのが『雨のち晴レルヤ』。NHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」の主題歌になった。

 「上手い下手ではなく、“いい”という基準は何なのか」と自問し、「伝えたい情景(風景)を音に乗せて伝えられるか」に呻吟してきた。答えは「心」。それを佐藤さんは「日本人の血」と表現した。

 “心を音に乗せて伝える”−悠久の時を超えて、世界に冠たる日本の伝統文化は、こうして受け継がれていく。

 一流の世界とは、歴史の人智に学ぶに帰する。 (谷口和巳) =おわり

 ■たにぐち・かずみ 団塊世代の編集者。4つの出版社を転籍、19の雑誌に携わり、編集長として4誌を創刊。団塊世代向け月刊誌『ゴーギャン』元編集長。『女優森光子 大正・昭和・平成−八十八年激動の軌跡−』『帝国ホテルの流儀』(共に集英社)などの書籍も手掛ける。

 

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