一刻も早く減税と給付金を 消費増税が景気にブレーキ

2014.05.07


黒田東彦総裁率いる日銀の金融緩和に加え、財政政策を打つ必要がある【拡大】

 この1年間で、経済指標はかなり良くなってきた。実質国内総生産(GDP)は、515兆円(2012年10〜12月期)から、528兆円(13年10〜12月期)へと増加し、失業率は4・3%(12年12月)から3・6%(14年3月)へと低下した。

 物価上昇率(消費者物価総合指数)は、マイナス0・1%(12年12月)からプラス1・6%(14年3月)へとデフレ脱却したといってもいいところまできた。

 しかし、これからが大変だ。いうまでもなく、4月1日から消費税増税が実施されたからだ。これまでの経済運営は「金融緩和あり、増税なし」だったので合格点であるが、4月以降は金融緩和というアクセルと増税というブレーキを同時に踏んだ状態になる。しかも、増税は「景気が本格的に良くなる前」なのでまずい。

 政府の4月の月例経済報告でも、消費税増税の影響により、「足元の景気が下振れしている」と書かれている。個人消費や生産、住宅建設などに増税前の駆け込み需要増に対する相当な反動減がある。

 例えば、4月第1週のテレビやエアコンなどを合わせた家電の売上高は前年同期比約20%減だった。反動減の上に、さらに消費税増税による消費の減少もダブルパンチになる。

 金融政策や財政政策の効果を分析した「マンデル=フレミング理論」からも、十分な金融緩和が実施されていれば、財政政策は効果があるという結果が導き出される。つまり、財政政策の一種である増税による消費減少は、波及効果をもって実体経済の有効需要を減少させるわけだ。

 昨年秋に行われた有識者会議で、8割近いエコノミストが「消費税増税の経済への影響はない」と言ったが、全くあてにならないものだ。

 景気を良くするためには、金融緩和では効果が出るまでラグ(ずれ)があるので、手遅れだ。即効性の強い財政政策、しかも制約の少ない減税・給付金政策を主力とする必要がある。そのために、一刻も早い補正予算の編成が望まれる。

 株価にも兆候が出ている。昨年4月から11月ごろまで日経平均株価は1万3000〜1万5000円あたりを行ったり来たりだった。株価は1年先の景気をある程度取り込んで価格形成されるとすると、今年の景気は足踏み状態だろう。仮に上昇するとしても年後半あたりからだ。

 為替は、今年になって円安のペースが一服している。日銀の金融緩和のペースは相変わらずであるが、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和の“出口”がそれほど近くないということなのだろう。為替は日本の金融政策だけの事情ではなく、米国の金融政策も大いに関係してくるのだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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