楽しいバーベキューが一転、山火事で損害賠償も 消したつもり…炭火ばらまき

2014.05.15


炭火の不始末が原因で発生した兵庫県赤穂市の山火事。決してひとごとではない【拡大】

 甲子園球場約18個分の山林を2日間にわたって焼いた兵庫県赤穂市の山火事。バーベキューの炭火を捨てて火事を起こしたとして、森林法違反の疑いで逮捕された同市の男性会社員(40)=13日に釈放=は「炭火は消えたと思っていた」と話しており、小さな油断から多額の損害賠償を請求されかねない事態に陥っている。本格的なバーベキューシーズンを控え、アウトドアの専門家は「起こるべくして起こった火事」と警鐘を鳴らしている。

 山火事のきっかけは「母の日」の11日午後1時ごろから男性宅の庭で開かれたバーベキューパーティー。男性の母親を囲み、妻や兄弟、子供ら計6人で楽しい一時を過ごした。

 ところが、パーティーが終わった午後3時ごろ、男性が庭から自宅裏にある雑木林にばらまいたバーベキューの炭火から出火。火は麓から山頂に向かって一気に燃え広がった。

 「男性宅の庭は1年前ごろに整備され、キャンプ場のような雰囲気でした。男性の妻は『魔が差したのか、消火を確認せずにこんなことになってしまった。母にも申し訳ない』と悔やんでいました」(全国紙記者)

 約21時間後の12日午後1時ごろ、鎮火したが、消火活動に消防隊員のべ752人、消防車のべ61台のほか、県や自衛隊などのヘリのべ7台も出動し、近くを走る山陽自動車道などが一時通行止めになる事態になった。幸いなことにけが人や建物への延焼がなかった。

 消防白書によると、2012年の林野火災は1178件で、焼損面積は372ヘクタール。今回の山火事だけで同年の5分の1にあたる面積が焼けており、被害の大きさがよくわかる。

 気になるのが、火事の被害額。同年の総被害額は約1億9000万円に上った。今回は焼失した山林の大半が放置された雑木林だったが、付近には関西電力の鉄塔などもあり、被害額が膨らむ恐れもある。

 失火事件に詳しい第二東京弁護士会の河原崎弘弁護士は「失火責任法では単純な失火であれば火元の責任を免除されるが、今回の山火事では過失が大きく、男性が民事上の責任を問われ、損害賠償を請求される可能性もある」と指摘する。

 夏に向けてバーベキューシーズンが本格化する中、今回の事態は決してひとごとではない。

 バーベキュー文化の普及を目指す任意団体「日本バーベキュー協会」(東京)の下城民夫代表は「炭火は消えたように見えても火種が残りやすく、油断してはいけない。炭火をずさんに扱うレジャー客は多く、同様の火事はいつでも起こりうる」と警鐘を鳴らす。

 下城代表は適切な炭火の消火方法として、伝統的な「火消し壺」の使用を提案している。炭を密封し、酸素を遮断して消火でき、再利用することもできるという。

 下城代表は「バーベキューで使った炭は現地で『捨てない』『埋めない』が大原則。正しい知識を身につけてバーベキューを楽しんでほしい」と呼びかけている。

 

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