殺人スズメバチが対馬定着 中国原産 遺伝子は韓国 養蜂産業や在来種に悪影響

2014.06.20


長崎県・対馬でミツバチを襲う、韓国や欧州で人間の被害や生態系への影響が大きな問題になっている中国原産のスズメバチ「ツマアカスズメバチ」(提供写真)【拡大】

 原産は中国、遺伝子は韓国という凶暴な昆虫が日本に侵入、深刻な問題になりつつある。長崎県対馬に定着した外来種の「ツマアカスズメバチ」で、人間も襲うどう猛さから「殺人バチ」とも呼ばれる。ニホンミツバチなどが餌になるため養蜂産業への打撃や在来種への悪影響が懸念され、関係者は対応に追われている。

 全身は黒で、頭と腹部分が赤く、体長は最大で3センチ。雑食で繁殖力が強く、巣を刺激すれば人間を追尾する。攻撃性の強さで知られるツマアカスズメバチ。欧州や韓国では生態系への影響が懸念され、人間への被害も問題化している。

 スズメバチの生態に詳しい京都産業大学の高橋純一准教授は「中国原産で、2003年に韓国に侵入した。対馬には物資に紛れて12年に入ったとみられる。(対馬のものは)DNA解析からも韓国産ということが分かっているが、ツマアカスズメバチはミツバチが好物のため、養蜂に大きな影響が出る可能性がある」と危ぶむ。

 長崎県対馬は、養蜂文化の伝承地で、希少なニホンミツバチの生息地として知られる。生産品は国産蜂蜜の中でも1割に満たない貴重品だ。

 対馬では昨年秋、ツマアカスズメバチの巣が56カ所で確認され、すでに30カ所ほどを撤去しているが、完全駆除には至っていない。

 「日本のスズメバチであれば、高くても5メートルほどなので、はしごなどで駆除できるが、ツマアカスズメバチは10〜30メートルの高い木などに巣をつくるため、クレーン車や高所作業車が必要で(駆除、撤去が)とても難しい」と高橋氏。

 薬剤散布による駆除方法も検討されてはいるものの、「在来種への影響から、実施までには時間を要す」(地元関係者)。現時点では、地道に巣を見つけ、撤去・駆除していくほかに対策はないという。

 対馬市総合政策部市民協働・自然共生課は「対馬島内での駆除・対策を進めると同時に、九州・本土への拡散は必ず食い止めなければならないと考えている」と危機感を募らせる。

 高橋氏は「対馬からだけではなく、中国や韓国から直接、船の貨物にまぎれて本州、九州の港に入る可能性もある。実際にフランスには、中国から船の貨物にまぎれて持ち込まれたと言われている」とし、こう続ける。

 「韓国では、山間部よりも都市部や住宅街で増えやすい傾向があるので、日本でも同じようになる可能性が高い。本州、九州に入ると、ミツバチを襲うので、養蜂産業全体に大きな影響が出る恐れがある」

 長崎県は環境省と協力し、侵略的外来種の押さえ込み対策の検討を開始。4月には「平成25年度対馬におけるツマアカスズメバチ侵入状況調査及び防除手法検討業務報告書」をまとめ、長崎県自然環境課は「この報告書を基に対策を検討し、早期に対応していきたい」と明かす。

 肺がんなどを引き起こす微小粒子状物質「PM2・5」にとどまらず、殺人バチまで飛来させるとは、はた迷惑な隣人だ。

 

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