ビットコインを覚えているだろうか。今年2月に取引所マウントゴックスが民事再生法の適用を申請したので、話題になったものだ。
日本のビットコイン取引所での破綻があっても、ビットコイン価格は最近また盛り返している。世界では一定のニーズがあるようだ。しかし、日本では、利用者はさっぱり増えていない。
先日破綻したマウントゴックスの債権者集会があった。その中で奇妙な話題があったが、それが、日本でのビットコインの将来性を握っているように思う。債権者が自ら資金トレース(資金の流れを追うこと)するために管財人にビットコインIDの開示を求めたが、断られたというのだ。
ビットコインの取引では、すべての取引には固有のビットコインIDが付与されており、そのため、理論的には資金トレースもできるようになっている。その取引記録も実はリアルタイムで見ることもできる。ただし、そのIDが誰のものかを特定することは第三者にはできない。
債権者がそれを知れば、自分のなくなったビットコインのトレースができるかもしれないのだ。ビットコインの性格上、すべての取引が公開なのだから、盗まれた取引も公開になっているはず。であれば、管財人は、事実解明のために、ビットコインIDを債権者には隠すべきではないだろう。
裁判所と相談して、管財人にビットコインを理解してもらわなけれならない。最悪の場合、会社更生法68条2項では、裁判所は利害関係人の申し立てにより又は職権で管財人を解任することができるとされている。