【戦争と性犯罪】200万人がレイプ被害−ドイツの経験から考える「慰安婦」問題の異常さ (1/2ページ)

2014.08.08


ソウルの日本大使館前で開かれた慰安婦問題に抗議する集会(共同)【拡大】

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 「ドイツ女の高慢さを暴力で打ち砕け! やつらは正当な戦利品だ!」

 このすさまじい言葉は、第2次世界大戦中に、ソ連の作家兼詩人であるイリヤ・エレンブルグが書いた文章といわれる。彼は戦後、「ナチスのデマ情報だ」と否定したが、真相は不明だ。

 独ソ戦は両軍が異常な精神状況にあり、「戦利品」とされた両国の女性たちが性的暴行(レイプ)の被害にあった。ドイツ東部では、終戦までに約200万人の女性が性的暴行の被害にあったとの推計がある。

 当時34歳の匿名の女性ジャーナリストの回顧録『ベルリン終戦日記−ある女性の記録』(白水社)という本がある。敗戦後のソ連軍による性暴力を描写しながら、生と死、空襲と飢餓、略奪と陵辱などの極限状況を女性と市民の視点から描いた稀有なルポだ。痛ましいが読み応えがある。

 同書によると、敗者であるドイツ人は、勝者の横暴、性暴力に何もできない。そして、感覚がおかしくなっていく。飛び降り自殺をする少女や、幼児と無理心中をする母親がいた。

 一方で、状況を受け入れる人もいた。空襲による死の恐怖が去った喜びを、ある女性は「頭上の米軍より、腹の上のソ連兵の方がまだましよ」と表現した。アパートの大家は性的暴行を受け続ける筆者に懇願した。「食べ物をもらって」と。筆者もソ連軍少佐の愛人になり、兵士からの暴力を避けた。

 この本が1960年代に西ドイツで発表されると、感情的な反発がドイツに広がり、匿名の批判投書が出版社に押し寄せ、作者探しが始まった。ショックを受けた作者は本を絶版し、スイスに移住した。作者が亡くなった2006年に再刊され、米英独でベストセラーになった。

 

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