開国の港街で飲み食い倒れ散歩 神戸

2014.08.15

連載:ライフ


食いしん坊にはたまらない品ぞろえの「マルヤ食堂 浜中店」【拡大】

 開国の港街神戸には安くてうまい洋食文化が根付いている。灘の酒蔵のアンテナショップとして長く続く立ち飲み店も多い。お好み焼きも大阪とはひと味違った独自の進化を遂げている。神戸周辺グルメの著書を多数持つ達人・芝田真督(まこと)氏の案内で「神戸飲み食い倒れ散歩」に出かけた。 (文・写真 板倉あつし)

 【お客のうれしさ優先−マルヤ食堂】

 三宮から神戸市営地下鉄海岸線で御崎公園駅へ。「マルヤ食堂 浜中店」は芝田さんイチ押しの食堂。デミグラスソースがたっぷりかかったオムライス530円。懐かしい味がするわんたん350円。ビールは大ビンで500円。真夏の神戸で昼間から飲む冷たいビールは最高だ。

 名物Aランチは、肉汁たっぷりのハンバーグ、ブリブリしたエビフライ(尾の殻が剥いてあり身がギッシリ)、プレスハムに、目玉焼き、付け合わせのキャベツ、マカロニサラダ、ナポリタンスパと百花繚乱(りょうらん)で750円。

 今回は満腹で手が出なかったが、関東ではめったにお目にかからないビフカツが500円。ビフカツW(2枚のコト)720円と食いしん坊に優しい価格。すべてはお客のうれしいが優先されるメニューばかりだ。

 【哀愁の角打ち−木下酒店】

 お隣の和田岬駅へ。徒歩2分の立ち飲み店「木下酒店」は芝田さんいわく「哀愁漂う国宝級の角打ち」だ。(角打ち=諸説あるが、四角い升の角から酒をリズミカルに飲み干す姿から酒屋での立ち飲みをこう呼ぶようになった)

 大正10年(1921年)の創業だから今年で94歳。神戸三菱造船所(現在は三菱重工)の発足が1905年だから三菱とともに歩んできた老舗と言っても過言ではないだろう。歴史が刻みこまれた梁(はり)や柱は真っ黒、むき出しの電気配線の絶縁体のガイシやガス灯も残されたまま。国の有形登録文化財に指定されても不思議ではない風情だ。

 ビール大びん1、缶チューハイ1、ウイスキー水割り1、三角チーズ2で会計は880円。あまりの安さに驚くと、3代目のご主人木下正さんは「神戸の角打ちの値段はこんなもんやでぇ」。1000円あれば満足できるのが神戸の底力。つまみを頼むとロウ引きの紙を皿代わりにするのが木下酒店流。サントリーリザーブ1ショットは驚きの140円。たっぷりの氷を別のグラスで出してくれる配慮もうれしい老舗だ。

 【神戸の良心−ひまわり】

 夕食を兼ねた仕上げは、阪急神戸線春日野道駅から約600メートルのお好み焼き店「ひまわり」へ。柴田さんいわく「神戸の良心」そのもの。伊藤博さん、充子さん夫妻が2人で切り盛りしている。酒のアテ(つまみ・さかなの意味)は鶏肝味噌(みそ)漬け、鶏皮塩焼き。どちらも驚くボリュームで1人では太刀打ちできないから要注意。

 甘辛に煮付けた秘伝の牛スジをたっぷりの青ネギにこれでもかと盛り付けた「ねぎスジ焼き」、豚バラ肉だけでも軽く100グラム以上はぶち込む「そばめし」ほか、大人4人で飲んで食べて…会計は税込7330円。「お父さんお母さん、いつまでも元気でお店続けてくださいね」とあいさつして店を後にした。

 【問い合わせ】 「マルヤ食堂 浜中店」(電)078・651・5375 「木下酒店」(電)078・671・1269「ひまわり」(電)078・241・1247 「神戸市公式観光サイト」「JR西日本おでかけネット」でウェブ検索

 

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