元コンビニ店オーナーで、コンビニ経営者向けの支援サイトなどを手がける里見智忠氏も今回のケースについて「あの手のクレームは日常茶飯事。利便性をうたうコンビニ店では、少しでも不便さを感じると豹変(ひょうへん)する客が多い」と指摘する。
里見氏は石川県内のコンビニ店で2010年11月、男性店長が強盗に包丁で刺されて死亡した事件に「ひとごとじゃない」とショックを受け、サイトを設立。コンビニ店開業志望者へのアドバイスなどを続けている。
里見氏は「店側が騒ぎを収めようと下手に出ると、要求をエスカレートさせる。日ごろから地域の警察官と信頼関係を築き、対応訓練を重ねるなどして、毅然(きぜん)とした態度で臨まなければならない」と話している。
今回被害に遭った店には事件後、励ましの電話が数十件あったという。土下座させられたオーナーは夕刊フジの取材に「息子と店を守りたい一心で対応したが、後になって恐怖が込み上げてきた。どうやって店やスタッフを守っていけばいいのか…」と憔悴(しょうすい)した様子で語ったが、とんでもない時代になったものだ。