実態とかけ離れたカジノ推進派の「期待」 (2/2ページ)

2014.10.19

 以前から何度も指摘しているが、カジノは日本ではうまくいかない。経済効果があるのは、シンガポールや米ラスベガスのように周りに何もないところだ。

 中国のマカオ特別行政区のカジノは一時、大きな経済効果があったが、これは中国富裕層や汚職官僚の海外へのマネーロンダリング(資金洗浄)に使われたからだ。習近平体制で“虎”の取り締まりが厳しくなって以降、マカオのカジノは急失速している。中国本土から大口顧客が押し寄せてこないと、一気にカジノは斜陽産業に陥るのだ。遅ればせながらマカオはラスベガスに見習ってショッピングや国際会議もできる、と広告宣伝を打っているが、「それなら香港でいい」という冷たい反応がほとんどだ。

 米国の観光都市アトランティックシティーもカジノの破綻が続き、潰れるホテルが相次いでいる。オーストラリアのケアンズやタウンズビル、ゴールドコースト、メルボルン、パースなどのカジノも中国人が来なくなって一斉に斜陽化している。

 ここ20年、年末になると日本の有名な芸能人がオーストラリアに行く。昼間はゴルフをして、夜はカジノ。たぶん彼らは多大なカネを注ぎ込んでいるのだろう。そういうハイローラーと呼ばれる人たちが多くいない限り、カジノは成功しない。

 カジノ推進派は、前提条件として「カジノは儲かる」「地域経済を活性化させる起爆剤になる」と思い込んでいるのではないか。政府も東京五輪開催に向け、カジノを成長戦略の目玉にしたい考えだ。しかし、世界中を調べてみれば、これほど実態とかけ離れた“期待”は間違っていることがわかるだろう。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

 

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