2015年大学入試の準備が大詰めを迎える中、大学選びの指標の一つになるのが就職率だ。受験関連の情報分析に定評のある「大学通信」の「有名400社実就職率」最新ランキングによると、1位は東京工業大で、トップ30のうち8つが工業系大学など「理高文低」の傾向が顕著になった。このほか女子大も5大学がランクインし、健闘した。本当に就職に強い大学はどこか。
有名400社は、大学通信が日経平均株価指数の採用銘柄に加え、会社規模や知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定。業種は建築・住宅、食品、化学、商社、銀行、広告、サービスなど多岐にわたる。 実就職率ランクは、その400社への就職者数を、卒業者数から大学院進学者数を引いた数で割り、順位付けしたものだ。
2014年大学卒業者を対象にしたトップ30をみると、1位の東工大(55・9%)と2位の一橋大(55・6%)の一騎打ち状態なのが分かる。
大学通信の安田賢治ゼネラルマネジャーは「優秀な学生は、東大の次に理系ならば東工大、文系ならば一橋大を目指す傾向が強い。就職戦線でも、その結果が顕著に表れている」と解説する。
両大学とも歴史的に就職に強く、「東工大は建設、メーカーに非常に強く、例えば、日立製作所に35人、三菱電機には24人が就職している。一橋は銀行など金融系に強い。三菱東京UFJに23人、みずほに22人、三井住友に19人が入った。全体的に文系学生の就職難が指摘されるが、一橋は卒業生も少なく、キャリアセンターや大学教授の(指導の)目が行き届いている」という。