恩讐は消えず…ノーベル賞中村氏と日亜化学、冷め切った両者の関係

2014.11.08


日亜に和解を申し込んだ中村教授だったが…【拡大】

 今年のノーベル物理学賞の受賞が決まった米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の中村修二氏(60)。青色LEDの実用化に貢献した発明の対価をめぐり、法廷で争った古巣の日亜化学工業(徳島県)に「関係を改善したい」と呼びかけたが、日亜側は「感謝で十分」とそっけない反応を見せた。両者の間には乗り越えられない恩讐があるようだ。

 「お互いに誤解していた過去は忘れましょう」

 中村氏は今月3日の文化勲章の親授式後、都内で記者会見し、日亜側にこう呼びかけた。

 さらに、「日亜が発光ダイオード(LED)で世界をリードしたから、ノーベル賞につながった」「小川英治社長、開発をともにした6人の部下、全社員に感謝したい」と述べた。

 中村氏は1979年に日亜に入社し、93年に青色発光ダイオード(LED)の製品化に成功した。退職後、数百億円に上る発明対価をめぐって日亜側と訴訟合戦となっていたが、ノーベル賞受賞を機に「けんかしたまま死にたくない」との思いに至ったという。

 中村氏の発言を受けて日亜は4日、「弊社に対する深い感謝を公の場で述べておられ、弊社といたしましてはそれで十分」「貴重な時間を弊社へのあいさつなどに費やすことなく、今回の賞・章に恥じないよう専心、研究に打ち込まれ、物理学に大きく貢献する成果を生みだされるようお祈りしております」とのコメントを発表した。

 「和解」を断った日亜の対応について、09年に亡くなった創業者、小川信雄氏の長男で、元社員の雅照氏は「父は豪快な性格だったが、英(えい)さん(=英治社長)はおとなしく堅実な人。中村さんと反りが合わず、わだかまりが残っているのでは」と語った。

 雅照氏によると、中村氏は信雄氏の理解を得てLEDの研究に専念したが、信雄氏の娘婿である英治氏は中村氏の研究に否定的だったという。

 紛争解決策に詳しく『うまい謝罪』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)などの著書がある間川清弁護士は「(日亜の)コメントはへりくだりながらも本音が透けて皮肉っぽく、中村氏との緊張関係が際立った。企業としては器量の大きさを見せた方が得策だった」と指摘。中村氏についても「会見でいきなり『過去を水に流そう』と発言するのではなく、事前に文書や仲介人を通してアプローチしていればスムーズに物事が運んだ」と話している。

 

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