「円の実力低下」「円安の弊害」論は詭弁 木を見て森見ぬ報道にご注意を (1/2ページ)

2014.12.26

 このところの円安について、「実質実効為替レートで過去30〜40年にかけて最低の水準」「円の実力が低下している」と相次いで報じられた。実質実効為替レートとは何か、「円の実力」という表現は適当なのだろうか。

 為替レートは、特定の2つの通貨の交換比率である。実質実効為替レートは、これに「実質」と「実効」という2つの変更を加えることで計算される。

 まず「実質」である。通常の為替レートが、名目値であるのに対して、各国の製品価格の変動を考慮に入れたものが実質値である。例えば、日本がデフレであれば、それだけで名目為替レートは円高になるが、実質為替レートでは円高とはみない。

 次に「実効」であるが、円とドルのように特定の2通貨間ではなく、円とすべての通貨との間の2通貨間の為替レートを貿易額などで計った相対的なウエートの加重平均をとっている。要するに、すべての通貨との交換比率にするわけだ。

 このように「実質」と「実効」という2つの変更を加えて、実質実効為替レートは算出されており、一般的には、為替レートが持っている一種の対外競争力を表しているともされる。

 しかし、それが「国の実力」を示す指標にはなっていないことは明らかだ。

 例えば、2000年以降の実質実効為替レートと失業率の推移をみると、両者は0・7程度の相関をもっている。つまり、実質実効為替レートで円高になると失業率が高まり、円安になると失業率が低くなる傾向がある。国の経済力を見るとき、失業が少ない状態は、無駄なく労働力を利用して最大限の効果を発揮しているときなので、国の経済力が発揮されているといえる。

 

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