2015年初頭、早くも世界経済に赤信号が点滅し始めた。原油の値段が低落し続けるなか、欧州と中国の経済が大きく後退するという見通しが強くなっているからだ。
米元財務長官で私のテレビ番組にも度々出演してくれたハーバード大学の経済学者、ローレンス・サマーズ氏が1月初旬、ボストンで開かれた経済会議で次のように述べた。
「欧州経済は回復する兆しがまったく見えない。90年代中ごろの日本経済と同じように長期にわたって低落を続ける心配がある。90年代の日本経済の停滞は、米国や欧州など世界経済の足を引っ張ったが、現在の欧州経済の停滞が同じような状況を再現する危険が強くなっている」
ハドソン研究所の専門家もこう言っている。
「欧州中央銀行(ECB)は、米国の圧力を受けて債券の買い上げを行い、金融緩和を進めようとしている。だが、いまのところ、効果が現れていない。原油の安値も欧州経済を助けることにはなっていない」
国際通貨基金(IMF)の専門家は、欧州に対する中国からの輸出が今年、大幅に減り、その結果、中国経済の成長率は中国政府が約束している7%台を大きく割り込み、6・3%台になるとみている。
また、IMFは欧州経済が回復して中国からの輸入を増やす見通しがほとんどないことから、中国経済は今後も悪化の一途をたどると見通している。2020年代、中国の成長率は3%台と、米国など他の先進国の成長率を下回る可能性が強いとみている。
日本人の多くは、習近平主席がアジア開発のため、国際的な新銀行を創立するといった宣伝を真に受け、中国経済が拡大し続けているという幻想を持っているようだ。




