★不動産バブルはだれがつくった?編
前回触れたように、わが麻布グループ(A)も含め、イニシャルの頭文字から「AIDS」と呼ばれた不動産会社4社は、1991年のバブル経済崩壊で急速に資金繰りが悪化した。
ニューヨークのティファニー本社ビルを買収した「第一不動産」(D)は、不動産を処分して債務返済を進めたが2007年に倒産した。
また、日本長期信用銀行(現新生銀行)などから巨額の融資を受けて大型プロジェクトを推進したリゾート開発会社「イ・アイ・イ・インターナショナル」(I)も、資金繰りに窮するようになる。
高橋治則社長(当時)は、自身が副理事長になっていた東京協和信用組合、安全信用組合(どちらも経営破綻した)から不正融資したとして、1995年、背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された。イ社は00年に倒産。イ社に乱脈融資をした長銀も98年に破綻して、一時国有化された。
一方、都心のオフィスビル事業で業績を伸ばした「秀和」(S)も、経営に行き詰まり、05年、アメリカの投資銀行、モルガン・スタンレーに買収された。創業者の小林茂さんは、11年、前立腺がんで亡くなった。84歳だった。
第一不動産の創業者の佐藤行雄さんは09年に心不全で亡くなった。85歳だった。イ・アイ・イの高橋さんも、03年に東京高裁より懲役3年6カ月の実刑判決を受け、最高裁判所に上告中の05年、クモ膜下出血により59歳の若さで亡くなった。皆、私とは仲がよかったが、結局、残ったのは私だけになった。