労働分配率低下が映し出す“デフレ脱却”の兆し 賃上げ遅れも自然な動き (1/2ページ)

2015.03.11

 シンクタンクのリポートを元に、「労働分配率が過去20年間で最低」という報道があった。この背景は何か。そこから導かれる政策含意は何だろうか。

 労働分配率は、賃金総額を付加価値で割ったものであり、企業が生み出した付加価値を従業員にどれだけ分配したかの目安となる。

 具体的な計算方法は、内閣府の国内総生産(GDP)統計を使うマクロ経済のものと、企業や業界の財務データを使うミクロ経済のものがある。報道でのシンクタンクのものは、財務省の法人企業データを使っているので、後者のミクロ的なものだ。

 労働分配率が過去20年間で最低ということは、デフレ時代には労働分配率が高かったことを意味している。このシンクタンクのリポートには、1980年以降の労働分配率の推移が出ているが、デフレ期には高く、それ以前の好況期には低かったことがグラフで示されている。

 リポートによれば、2014年10〜12月期の労働分配率は60・4%と90年代初頭並みの水準であるとしているが、それ以降は60〜70%程度、それ以前は55〜60%程度になっている。

 こうした動きになるのは、労働分配率の定義をみても明らかである。「分子」は賃金総額、「分母」は付加価値であるが、好況期には、分母の付加価値のほうが分子の賃金より増加のスピードが大きいので、労働分配率は低くなる。逆にデフレ期では、分母の付加価値が大きく下がっても、賃金の動きは小さいので、労働分配率は高くなる。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。