松下幸之助も泣いている… 在京「県人寮」の存続ピンチ (1/2ページ)

2015.03.11


学生たちが「シェフ」と呼ぶ料理人が腕をふるった料理が楽しめる食堂=東京都調布市の和歌山・東京学生寮【拡大】

 東京で勉学に励む各県出身者限定の学生寮「県人寮」が岐路に立たされている。高度経済成長期にこぞって建てられたため老朽化が進み、少子化による入寮者減も影響して廃寮に至ったところも。風呂やトイレは共同で、ワンルームマンション世代には合わないとの指摘もあるが、寮費は食事付きで格安だ。福祉施設との共存を図るケースもあり、生き残りへ模索が続いている。

 京王線国領駅を降りて徒歩約15分、住宅街の奥に4階建ての「和歌山県奨学会 東京学生寮」(東京都調布市)がある。

 1955年に和歌山出身の参議院議員で外相などを務めた野村吉三郎が故郷の学生のためにと設立を呼びかけ、現パナソニックの創業者、松下幸之助らが資金援助をしたことで知られる。1期生は56年に入寮し、歴史は60年を数える。これまで輩出した学生は1500人を超え、最盛期には定員100人が満室になるほどの人気だった。

 しかし、現在は定員55人に対して、入寮者は36人。毎年1月ごろに募集を行っているが、最近は定員割れの状態が続いている。寮長の由良嘉輝さんは「少子化の影響もあるが、不景気で東京に出てくる学生自体が減ったこともある」と原因を分析する。

 入寮した学生たちにとって寮生活は好評だ。朝夕の2食付きで、寮費は月4万8500円。電気代を入れても5万円程度に収まる。和歌山市出身で明治大に通う男性(21)は「大学にも近く、安さでは一番。第2の故郷のような愛着もあります」と話す。

 

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