鹿児島の激戦区で復活した「桃源」

2015.03.13


桃源(鹿児島市)【拡大】

 鹿児島は何度も行ったことがある街。飲んだ後に食べるラーメンとして好きな店があった。しかし、いつの日か閉店してしまい、それはもうかなわなくなった。それでも市内の繁華街・天文館には多くのラーメン店がひしめき合っている。東京で言うなら高田馬場並みの激戦区である。

 中でも「のり一」は天文館の深夜ラーメンとして一般的になっている。なんせ最近まで300円という安さで、しかも飲んだ後にはなんだかちょうど良かったのだ。ところが「のり一」のラーメンはいまや500円になってしまい、ちょっと寂しさを感じている。300円の時代と言っても何十年も昔の話ではない。ほんの数年前の話だ。

 先日もテレビ局の人と「のり一」に行った。午前1時を回っているのに相変わらずにぎわっている。そこでのラーメンは我慢し、ビールに専念した。なぜなら…。

 私が好きだった「桃源」という店が復活したと聞いたからである。「経営者が変わったのかな?」と思いながら行ってみた。外観はこじゃれた感じになっており、店内も広くなっていた。メニューも私の記憶とは違っていた。

 しかし、ラーメンの味わいは記憶のものと「似ている」感じだった。見た目は実に鹿児島風であり、でも食べてみるとそうでもない独特の個性があり、おいしい。どうやら豚、鶏以外に牛や魚介も使っているようだ。ちょっとしょっぱめだったが実においしいラーメンがそこにあった。

 食べ終えて店主に聞くと、どうやら世代交代をしていたようだ。昭和33年創業だからもう50年以上。代替わりも当然。しかも今回の代替わりで4度目のようだ。私がよく食べていたのは先代(3代目)の時。そして創業者の孫(と言っても50歳前後か?)が2010年に復活したらしい。

 「桃源」という店名の由来。天文館で10年ほど屋台をやっていた夫婦が台湾に帰るので創業者のおばあさんが味と店を受け継いだらしい。その台湾人の夫婦は高雄県桃源郷の出身だったので、そこから名前を付けたという。

 四代目は血は継いでいるもののラーメン経験はなかった。そこで母(2代目)に相談。母の答えは「創業当時の味を作れるようになって、それも出すなら認める」という厳しい指令が出て随分苦労をしたらしい。その味はしょうゆラーメンとして提供している。気になって翌日に食べに行ったが、そちらもおいしい。午前2時までやっているので天文館で飲んだ後にはオススメ。

 ■ラーメン耳寄り情報 桃源(鹿児島市) 天文館にあり50年以上続く老舗で現4代目店主。鹿児島スタイル(白濁)と創業当時の味(醤油)の2種類提供。午前2時までやってるのでありがたい。

 ■大崎裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2014年6月現在で1万1000軒、2万2000杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役、日本ラーメン協会理事。Webおよび携帯の「ラーメンバンク」を運営している。

 

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