先週、強い地震があり、岩手県花巻で震度5強を記録した。地元の人たちは久しぶりの震度5だっただけに驚いたことだろう。幸い被害はなかった。
これは東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の余震に違いない。
余震が他の地震と性質が違うわけではない。それゆえ地震学的には余震を他の地震と区別することはできない。
だがこの地震は本震の震源域の中で起きたこと、地震のメカニズムが典型的な海溝型地震であることから、ほぼまちがいなく余震と言っていいものであった。
余震は、けがをしたあとの「うずき」のようなものだ。本震で地震断層が動いたあと、本震の領域内で小さめの地震が起き続ける。それが余震なのである。
余震は時間とともにゆっくり減っていく。
ただし数学的には原子核の崩壊のように「指数関数で減って」いくのではなく、本震直後の減り方は指数関数より速いのだが、後に長く尾をひくという特徴がある。つまり、意外に長く続くのである。
たとえば米国では余震が200年以上も続いている例もある。これはミズーリ州とケンタッキー州の州境で1811年から12年にかけての3カ月弱の間に、マグニチュード(M)が8を超える大地震が続けて3回起きた。その余震である。
日本でも、岐阜県を中心に愛知県や福井県まで地震断層が伸びていた濃尾地震(M7・9、1891年)の余震は100年以上も続いていたことが知られている。
しかし日本ではふだんから地震活動が高いので、余震がたとえ続いていたとしても、他の地震にまぎれてしまう。米国では地震の活動レベルがごく低いから、こんなあとになって小さな地震がわずかに起きても、余震に違いないと分かる。つまり日本でも余震は続いているのだが、見えなくなってしまうのだ。




