工藤会「上納金」摘発に立ちはだかる壁 報復の恐れ、公判維持の難しさ… (1/2ページ)

2015.06.18


野村容疑者宅から押収物を運び出す捜査員=16日、北九州市小倉北区【拡大】

 特定危険指定暴力団、工藤会(北九州市)の壊滅作戦を進める福岡県警がトドメを刺した。所得税法違反の疑いで16日、工藤会トップの野村悟容疑者(68)=殺人罪などで起訴=を再逮捕。組員からの供述を得るなどして、難しいとされてきた上納金摘発にこぎつけたが、「アングラマネー」の全容解明につながるのか。

 2013年までの4年間で傘下暴力団組員から集めた上納金2億円余りを隠し、約8800万円を脱税したとして再逮捕された野村容疑者。一連の捜査では金庫番のメモなどが見つかり、上納金システムの詳細が明らかになったという。

 4年間の上納金の総額は約10億円。毎日新聞によると、幹部は3ランクに分かれ、Aランクは20万円、Bランクは15万円、Cランクは5万円と毎月の上納額が決まっていた。こうして集まった月約2000万円のうち、約500万円が野村容疑者の親族名義などの口座に。野村容疑者は高級車の購入やゴルフに使っていたといい、県警などは野村容疑者の個人所得にあたると判断した。

 上納金を脱税事件として摘発するのは全国初。国税当局は長年、暴力団事件の調査には及び腰だった。「暴力団事件は組織関係者の証言を得にくい上、報復の恐れもある。過去の事件で担当した職員は3カ月ごとに官舎を変え、数年間にわたって家族にSPを複数つけたこともあった」とある査察OBは語る。

 捜査過程で入手した経理関係資料を税務当局に知らせる「課税通報制度」で連携を図ってきたものの、「課税はできるが、当事者が逮捕されると支払いができないケースが大半で、滞納額だけが積み上がる」(国税関係者)と、制度を生かし切れていないというジレンマもあった。

 

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