財政論争の裏には財務相争い 稲田氏は「経済第一主義」に変われるか (2/2ページ)

2015.06.24


稲田朋美政調会長から財政再建などについての提言書を受ける安倍晋三首相=16日、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】

 ただし、これは、政治的な操縦術なので、それがそのまま政策につながるとは限らない。稲田氏は、「経済成長なくして財政再建なし」という主張の安倍晋三首相をサポートする甘利明経済再生担当相と、つばぜり合いをしている。

 ロジックとしては、経済成長と無関係に歳出を縛るのは論理矛盾という甘利氏に軍配が上がるが、20年度のプライマリーバランス黒字化の中間年度(18年度)に歳出目標の設定を明記するとして、稲田氏は譲らなかった。

 財務省の御用学者が稲田氏をサポートしており、今のところ財務省の思惑通りに稲田氏は行動している。しかし、稲田氏の眼中にあるのは政治的な野心であるので、いつ何時財務省の手の上から飛び出して行動するかは分からない。

 経済に対する見方として、経済が良くなれば財政もそのうち良くなるので経済を第一に考えるという経済主義と、経済を良くするためには財政が良くなる必要があるとしてまず財政を第一に考える財政主義がある。安倍首相は経済主義であるが、野田佳彦前首相は財政主義だった。

 失われた20年で日本経済は低迷、国内総生産(GDP)は伸びず、防衛費も伸ばせなかった。一方で中国の軍事的台頭を許した。安全保障の観点からも経済成長は不可欠であることを考えると、経済主義と財政主義でどちらが望ましいか、答えは明らかだ。今、財政主義にみえる稲田氏が、経済主義になれるかどうかが問われている。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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