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4月28日の朝日新聞によると、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)の元東京特派員、カルステン・ゲルミス記者は、執筆した記事について、日本の外務省から抗議を受けた事実を、日本外国特派員協会の機関誌で明らかにしたという。
同記者は、2010年1月から今年4月上旬まで日本に滞在した。昨年8月14日にFAZに掲載した「『安倍(晋三)政権が歴史の修正を試み、韓国との関係を悪化させているうちに、中韓が接近して日本は孤立する』という内容の記事」が、抗議の発端だった。
慰安婦問題を執拗(しつよう)に蒸し返して、日韓関係を悪化させたのは、韓国の方であり、私は、ゲルミス記者の記事は明らかに事実と異なった報道だと思う。日本外務省の抗議は、ドイツの在フランクフルト総領事により、FAZ本社に対しても行われた。
冒頭の記事を書いた朝日新聞の記者は現地で、ゲルミス記者の上司と総領事の双方に取材している。上司は取材に対し、総領事が背後に「中国のビザ」と「賄賂」がある可能性を示唆したと語っているが、総領事は真っ向から否定している。
記事の最後で、ゲルミス記者は「海外メディアへの外務省の攻撃は昨年あたりから、完全に異質なものになった。大好きな日本をけなしたと思われたくなかったので躊躇(ちゅうちょ)したが、安倍政権への最後のメッセージと思って筆をとった」と話したという。