ギリシャ問題とドイツの責任 根本理由は通貨安の恩恵忘れた緊縮要求 (1/2ページ)

2015.07.03

 ギリシャのデフォルト(債務不履行)の可能性が高まっている。この背景をまず押さえておきたい。

 ユーロ圏は経済状況が異なる19カ国の集合であるが、1つの共通通貨なので、1つの金融政策ですべての国を面倒見なければいけない。これが本質的な問題点である。

 ノーベル経済学賞を受賞した経済学者マンデルによる最適通貨圏理論では、共通通貨のユーロを導入するためには、いくつかの条件が必要である。それによれば、ユーロは、当初の参加国程度の地域に限定していればよかったが、その後、政治的な拡大を経て、本来は加盟すべきでない周辺国が多くなり、今では最適通貨圏を超えている。

 その結果、ユーロは、ドイツなどの中心国にとっては「割安」になる一方で、ギリシャのような周辺国では「割高」になってしまった。そこで、ギリシャは経済危機に陥っているというわけだ。

 公務員数が多く、年金水準が高いなど、ギリシャが固有の問題を抱えているのはたしかだが、それでもギリシャ独自の通貨ドラクマの時代には、危機のたびにドラクマが下落して、対外借金を棒引きにすることで、ギリシャ経済はなんとかやってこれた。共通通貨であれば、メリットを受けている中心国からの財政支援は不可避である。

 ところが、ドイツは自国が受けているメリットを忘れたかのように、財政支援の代わりにギリシャに緊縮財政を要求した。これがギリシャ経済がなかなか苦境から脱出できない根本的な理由だ。

 ギリシャの公務員数や年金事情だけを指摘してユーロの問題点を言わない識者は、しばしば「ギリシャのように日本もならないように財政再建、緊縮財政をやるべきだ」と言いがちなので、注意が必要だ。

 

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