「戦争のできる国」論の非常識 同盟と不可分の集団的自衛権 (2/2ページ)

2015.07.28

 日本の自衛隊の実態から考えても、「戦争をする国になる」という主張が的外れであることがわかる。これまで防衛費が国内総生産(GDP)の1%という世界では低水準の枠に収まってきたので、防御専用で、戦争をできるような戦力投射能力を持っていない。せいぜい、ごく一分野だけ秀でた選手であり、戦争ができるような万能選手とはいえない。

 たしかに、戦後の戦争をみると、米国は一国だけではなく、同盟国とともに戦っている。しかし、その場合、戦力投射能力のある英仏が主力パートナーで、残りは戦闘地域の一部の国だ。米国の戦術論からみて、攻撃能力のない日本を選ばないだろう。頼むとしても、せいぜい機雷掃海などの分野となるのではないか。

 一方、米国が他の同盟国とともに戦うというのは、日本にとって抑止力の向上になっている。つまり、集団的自衛権の行使によって抑止力を向上させると、日本が戦争に巻き込まれるリスクは減少するのだ。「米国の戦争に巻き込まれる」というのは、全体としての戦争のリスク減少をまったく考慮せず、一部の事例のみしか考えていない議論である。

 集団的自衛権の行使は、本コラムで指摘してきたように、(1)同盟強化で戦争リスク減少(2)安上がりの防衛費(3)危険な個別的自衛権行使の抑制になることを忘れていけない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。