神戸市東灘区の民間の産業廃棄物処理施設で3日、ポリタンクに入っていた猛毒のフッ化水素酸(フッ酸)の液体から気化したガスを吸って、作業員ら14人が軽症を負う事故が起きていたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。
ポリタンクが神戸市灘区の指定暴力団山口組総本部からごみとして出されていたことも判明。兵庫県警は同日午後、廃棄物処理法違反事件の関係先として、山口組総本部を50人態勢で家宅捜索した。捜査関係者によると、ポリタンクは、同本部から灘区の産廃業者が回収。業者の処理手続きなどに問題があった疑いがあるという。
フッ酸は毒劇物取締法の指定毒物で揮発性の液体。腐食性が強く、ガラスの艶消しなどとして広く利用されている。常温で気化し、気体を吸うと呼吸困難などを引き起こし死に至る危険性がある。