傾斜マンションを経済学で斬る 不動産市場の不安に追い打ちの恐れ (1/2ページ)

2015.10.24

 最近、不動産の本がよく出版されている。内容はどれも似たりよったりで、ブームは2020年東京五輪までで、その後大暴落するという内容のものが多い。基本的には、人口減少・少子高齢化で需要が減少するなか、マンションが過剰供給になるというお決まりの設定だ。

 実際にそうなるかどうかは、よくある株価予想と同じで、根拠はやや薄弱だ。五輪までは景気がいいが、その後一段落するという程度の話かもしれない。また、アベノミクスで株価は上がったが、消費増税で一時落ち込んだので、そのアナロジー(類推)として不動産市場でも似たようなことが起こるという話かもしれない。

 そうした悲観的な将来の不動産市場をイヤでも意識せざるを得ない事件が起きた。横浜市のマンション「パークシティLaLa横浜」が施工不良で傾いた問題だ。この物件にはいろいろな会社が関わっている。施主(売主)は三井不動産レジデンシャルと明豊エンタープライズで工事監理を行う。元請けは三井住友建設で、施工管理だ。その下に、杭(くい)工事を行う1次下請けが日立ハイテクノロジーズ。その下に、2次下請けとして旭化成建材、これは旭化成の100%子会社だ。

 物件の検査(中間・完了)は横浜市であるが、実際には民間の検査機関が行っている。この種の物件では、データを改竄(かいざん)されては、検査で異常がわかることはまずないだろう。

 となると、買い手は本件のように実際に傾斜してからでないと不良品かどうかわからないことになる。売り手と買い手の間に大きな情報の非対称があるわけだ。

 

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