バブル期に「兜町の風雲児」と異名を取った元大物仕手筋、加藤●(=日の下に高)(あきら)容疑者(74)の一家が東京地検特捜部に金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕された。加藤容疑者がインターネットで推奨した銘柄は「K氏銘柄」と呼ばれて注目されたが、実態は、自作自演で株価をつり上げて予想的中を演出し、別の保有銘柄を売り抜けて60億円を荒稼ぎする手口だった。
加藤容疑者は仕手集団「誠備グループ」元代表で、投資家向け情報発信サイトを運営する「般若の会」の代表を務める。妻の幸子容疑者(74)と、長男の大阪大大学院助教で数理ファイナンスなどが専門の恭容疑者(36)も逮捕された。
加藤容疑者は2011年11月、「時々の鐘の音」と題したサイトで、大証1部上場だった化学メーカー、新日本理化の株価が1300円まで上昇すると記載。12年2〜3月、約296万株を約30億円で買い付けるなどした。株価は871円から1297円まで上昇したが、その後急落し、損失を被ったという。