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韓国が、島根県・竹島(韓国名・独島)を不法占拠して62年になる。隣国は、事あるごとに「わが領土」「故郷の島」などと大騒ぎしてナショナリズムをあおっているが、現在、竹島はどうなっているのか。韓国に留学経験がある気鋭の女性ジャーナリストが、日本人を遠ざける国境の島の直撃取材に挑戦した。
「日本人が行けるのか?」
これが、私が竹島を訪ねたいと告げたときに、韓国の友人たちが最初に口にした言葉だ。そして、続けた。
「あそこは韓国人の中でも愛国心が強い人が行くところだから、気を付けた方がいい」
過剰ともいえる友人らの反応に、「いくらなんでも大げさだろう…」と独り言をいいながら、日本海沿岸の港町、浦項(ポハン)からフェリーに乗り込んだ。3時間船に揺られて、竹島訪問の拠点である鬱陵(ウルルン)島に到着した。
港で出迎えたのは100は優に超える無数にはためく太極旗。高揚する愛国心を抑えられないのだろうか、周りの韓国人は船上にいるときから、恍惚(こうこつ)の表情で国旗を見つめていた。
「チケットは売り切れだ!」
韓国の友人たちが忠告した通り、竹島訪問はさっそく困難に直面した。チケット売り場で行き先を告げると、販売員はいったんは竹島行きフェリーの席を確保した。にもかかわらず、日本のパスポートを見せた途端、態度を豹変(ひょうへん)させたのだ。
「さっきは、あるって言ったじゃないですか」
あからさまな嘘に私はハングルで食い下がったが、無駄だった。対応した販売員は次のように、冷たく言い放った。