平和ボケから目が覚める! 一色正春のニッポン自衛論 (1/5ページ)

2016.01.17


衆院平和安全法制特別委員会で可決された安保法案。鴻池祥肇委員長に詰め寄る野党議員ら =9月17日午後、国会・参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)【拡大】

 私がiRONNAで執筆している連載の前回の記事『国家の独立と安全を「警察」に委ねる日本の非常識』では、なぜ警察権では国防の任を担えないのかということを説明いたしました。今回は、現行憲法で禁止されているとまで言われている集団的自衛権を中心に自衛権について考えてみたいと思います。(総合オピニオンサイト iRONNA

 しかし、それにしても先日の安保法制にかかる馬鹿騒ぎを見て、いまだに「安全や平和はタダで手に入る」と思い込み「いかにして国を守るか」ということを現実的な問題として考えられない人が少なくないという、我が国の厳しい現実を改めて実感しました。まあ、政治や国防と無縁の人たちに関しては分からなくもないですが、世論をリードするはずのマスコミや国政を担うべき国会議員のあまりにも無責任な態度には怒りを通り越して呆れかえるほどでした。

 特に短い間とはいえ政権与党として国防の任を担った民主党に至っては対案も出さず前向きな議論も行わずに、ひたすら反対するという小学生でもできることしかせず、挙句の果てには国会の外でデモに興じる始末、最後は国会内でプロレスまがいの乱闘騒ぎ。あの光景を見て日本の政治に絶望感を抱いた人は私だけではないでしょう。

 彼らの言っていることは、国家の存立が脅かされ、国民の生命などの権利が根底から覆される明白な危険があったとしても、これを排除するための自衛権を制限しなければならないということです。いったい国の存立や国民の生命より大事なものとは何なのでしょうか?

 普通に考えれば、国家はそのような事態に陥れば、ありとあらゆる手段を用いて全力で事に取り組むのが当然で、そうあらねばならないのですが、そのような危急存亡の秋においても国家国民を守るための自衛権を制限しなければならないのは何故なのでしょうか。憲法をまもるためですか? いざというとき、彼らは国民に対して「憲法の制約により、あなた方を守れません」とでも言うつもりなのでしょうか。

 おそらく彼らの理屈は、集団的自衛権は「必要最小限度の実力行使」の範囲を超えるから憲法違反だということなのでしょうが、本来は自衛権に個別とか集団の区別はなく「最小限」にこだわるのは、敵を利し自国民の不要な犠牲を増やすだけの結果しかもたらしません。もっと言いますと「必要最小限」の実力行使では、まともに国を守れないのです。いったい自衛隊の実力を、どれだけ高く評価しているのでしょうか。

 自衛隊は他国を侵略する能力はなく、その能力を制限しながら日本を守ることなどできません。だから日本は日米安全保障条約を結んでいるのです。そもそも昔とは違い、これだけ兵器の発達した現代では一国のみで自衛することは難しく、世界一の軍事大国と言われるアメリカでさえ各国と同盟を結んでおり、集団的自衛権を否定し自国のみで防衛している国などスイスくらいのものでしょう。ではそのスイスのように国民皆兵制度を導入し、各家庭に銃を配るのかと言えば、それは否定する。では憲法を改正して「自衛隊を軍隊にして防衛力を強化しましょう」と言っても反対する。そして日米安保については何も言いません。本来、集団的自衛権を否定するのであれば、日米安保や集団的自衛権の行使を肯定している国連も否定するのが筋なのですが、不思議なことに彼らは、その問題に触れようとはしません。

 そんな彼らの理屈を整理すれば「日本に危機が迫ったときはアメリカが集団的自衛権を行使して日本を守るべきだが、いくらアメリカが困っている時でも日本は憲法の制約により集団的自衛権を行使してアメリカ人を助けることはできない」ということで、彼らは他国が日本に攻めてきたときは、とりあえず不十分な法整備の自衛隊員が犠牲になり、そのうちにアメリカが助けてくれるとでも思っているのでしょうか。自ら努力することもせずに憲法を順守するだけで国家の防衛が可能であると本気で考えているのであれば、どうかしているとしか言いようがありません。

 このような、恐るべき自己中心的かつアメリカに甘えた考え方では、日本国憲法前文の「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という願いは永遠に叶わないどころか、人として軽蔑の対象になることでしょう。

 そもそも彼らが、そこまでしてこだわる必要最小限は、どうやって決めるのか、日本政府の見解を見てみましょう 

 『わが国が憲法上保持できる自衛力は、自衛のための必要最小限度のものでなければならないと考えています。その具体的な限度は、その時々の国際情勢、軍事技術の水準その他の諸条件により変わり得る相対的な面があり、毎年度の予算などの審議を通じて国民の代表者である国会において判断されます。憲法第9条第2項で保持が禁止されている「戦力」にあたるか否かは、わが国が保持する全体の実力についての問題であって、自衛隊の個々の兵器の保有の可否は、それを保有することで、わが国の保持する実力の全体がこの限度を超えることとなるか否かにより決められます。

 

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