【気象予報士の視点 日本が危ない】「勧告」と「指示」防災情報の意味を理解し普段からシミュレーション (1/2ページ)

2016.02.07

室戸台風では、車庫内の電車が倒されるなど大きな被害が出た=1934年、大阪府堺市
室戸台風では、車庫内の電車が倒されるなど大きな被害が出た=1934年、大阪府堺市【拡大】

★(5)

 私が気象予報士になったきっかけは、天気の変化に敏感だった祖母の影響が大きい。祖母が西陣小学校(京都市)の5年生だった昭和9(1934)年9月、「室戸台風」が襲来して、通っていた小学校の木造校舎が倒壊したのだ。ご存じのとおり、室戸台風は「昭和の三大台風」と言われ、京阪神地域に甚大な被害をもたらした。

 校舎が倒壊した際、祖母は奇跡的に屋根の梁(はり)の間にはさまって一命を取りとめたが、生徒41人が亡くなった。当時は、台風襲来時に暴風警報を発令するシステムは整備されていなかった。静止気象衛星「ひまわり」の画像などあるはずもなかった。祖母は、猛烈な勢力の台風が迫っているとは思っていなかったそうだ。

 技術が発達した現代では、日本から遠く離れた海での熱帯低気圧の発生から、発達して台風となって北上してくる位置まで、リアルタイムで監視することができる。警報などの数多くの情報が、メディアやインターネットなどを通して常時配信されている。

 危険を感じたときに、われわれにできることは、できる限りの情報を得て、命を守る行動を取ることだ。

 私は全国各地で講演する際、「市町村が発令する『避難勧告』と『避難指示』、どちらが、より危険が迫っているときに発表されるか分かりますか?」と質問している。すると、大体、約半数の人が「避難勧告の方が危険」と答える。つまり、「避難指示だから、まだ大丈夫だ」と考える人が約半数いるわけだ。

 これは明らかな間違いである。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。