すべてをのみ込む「泥火山」の恐怖 マグマ活動とは直接の関係なし (2/2ページ)

2016.06.03

 日本では秋田県・後生掛(ごしょうがけ)温泉の泥火山や北海道・新冠(にいかっぷ)や北海道・阿寒(あかん)のボッケ温泉のものが知られている。しかしこのインドネシアのものに比べるとはるかに小規模なものだ。

 ところで、この大規模なインドネシアの泥火山がなぜできて、なぜ、泥の噴出が続いているのかは、じつはナゾなのだ。

 いちばん疑われているのは、泥火山の噴出口から150メートルしか離れていない天然ガス田での作業である。

 しかし、ガス田側はこれを否定した。泥火山が噴火した2日前にジャワ島中部で発生したマグニチュード(M)6・3の地震を原因としたのだ。だが、震源からここまでは約260キロも離れている。日本の震度でいえば、1か、せいぜい2だ。

 地震の揺れがあまりに小さいだけではなく、この説は分が悪い。科学者によると、噴火発生の初期に測定された地下ガス濃度の分析結果は、泥の噴出を誘発した原因が天然ガスの掘削調査であることを示している。

 噴出を止めるために、巨大なセメントの球を詰める対策が行われたが、成功しなかった。

 まだ、噴出を止める努力は実っていない。この災害はいつ、終わるのだろう。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『地震と火山の基礎知識−生死を分ける60話』(花伝社)。

 

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