結局、セブン&アイHDの会長兼最高経営責任者(CEO)だった鈴木敏文氏は取締役を退任し、名誉顧問となることで落ち着いた。
鈴木氏はイトーヨーカ堂の取締役だった1974年、社内の反対を押し切って、東京・豊洲にセブン−イレブン1号店を出店し、現在では1万9000店という大ネットワークを築いたカリスマ経営者。
しかし、鈴木氏が提案したセブン−イレブン・ジャパン社長の退任案が、イトーヨーカ堂創業者でセブン&アイの大株主である伊藤雅俊名誉会長に反対され、辞意表明に至った。強い信頼関係の2人だが、鈴木氏が次男を将来のトップに充てようと画策していると思った伊藤氏が、反対勢力に回ったといわれる。
伊藤氏はかつてわが麻布自動車グループ傘下だった栃木・喜連川カントリー倶楽部の理事になっていただいた。鈴木氏も私と親しかった経営評論家・針木康雄さん主催の会で、隣に座っていろいろ話したことがある。鈴木氏は現在83歳。伊藤氏は何と92歳。皆、現役感を漂わせてギラギラしているようだ。
これまた喜連川カントリーの理事だった住友不動産のドン・安藤太郎氏は、80歳を超えても同社の役員を続け、ほぼ毎日出勤した。「ナベさん、オレ、96歳と6カ月だよ」と語った当時も取締役だった。
私は現在82歳だが、この年齢になると、判断を間違えずに会社経営を進められるとは思えない。そういう意味でも、皆、すごい。そんなこんなで、最近の経済ニュースを読むと、年齢を重ねてもギラギラしている経営者が目立つ。