【日本の解き方】AIIB、拠出金頼みの融資には限界 市場原理と社会主義の矛盾 (1/2ページ)

2016.07.02

AIIBの「国際諮問委員会」委員就任を打診されたことを明らかにした鳩山由紀夫元首相
AIIBの「国際諮問委員会」委員就任を打診されたことを明らかにした鳩山由紀夫元首相【拡大】

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、アジアの4つの事業に対し総額5億900万ドル(約520億円)規模の融資を承認したと発表した。これが設立後初めての案件である。

 具体的には、バングラデシュの送電網改良や拡張に1億6500万ドル、インドネシアの貧困地区の住環境改善に2億1650万ドル、パキスタンの高速道路建設事業に1億ドル、中央アジアのタジキスタンで道路の改良事業に2750万ドルだ。

 このうち、単独案件はバングラデシュの送電網だけで、残りは世界銀行やアジア開発銀行(ADB)らとの協調案件である。世銀やADBと協調している姿を見せる意味もあるが、単独融資ができないという事情もあるのではないか。

 国際金融機関は、融資の原資を各国からの拠出金と債券発行によって賄う。そのときポイントになるのが信用力だ。中国主導で日米が参加しないAIIBの信用力は、後ろ盾になっている中国の国債と同じ程度で、資金調達コストは日米主導のADBより1%近くも劣るだろう。

 信用力は、例えば格付けという形になって現れるが、AIIBでは「格付けなし」という、国際機関では異例のスタートとなった。少なくとも筆者は聞いたことがない。

 このため、単独案件では、融資条件は世銀やADBに比べて見劣りするはずだ。こうした事情から、単独案件が1本、しかも小規模にならざるを得なかったのだろう。いくらスタート段階とはいえ、鳴り物入りで設立されたにしては寂しいものだ。

 
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