【小塩史人のワールド独談】中国富裕層が米国に大量移住している 中国企業による米国企業の買収は国外脱出が目的だった! (1/3ページ)

2016.08.08

 中国企業による米国企業の“爆買い”は、国外脱出が目的だった!? 中国企業は米国企業を買収した後、大量の幹部社員を送り込んでおり、米当局が発給する駐在員向けビザが激増しているという。中国では、深刻な大気汚染や食の安全への不安のほか、子供により良い教育を受けさせる目的で、海外移住を図る富裕層が後を絶たない。習近平政権が特権階級をターゲットにした反腐敗キャンペーンを強化していることも、富裕層の脱出に拍車をかけており、生まれてくる子供に米国籍を所得させるための出産ツアーまである。中国企業による海外企業買収にも、富裕層の“国外脱出願望”が影響しているようだ。

 ビザ発給の増加は、米CNNテレビ(電子版)が伝えた。それによると、2015年に中国人従業員とその家族向けに発給された「L−1」ビザは、1万258件となり、2005年の4倍以上に増えた。中国企業が買収した米国企業には、数千人規模で幹部社員が送り込まれているという。

 L−1ビザは、海外企業が米国にある子会社や関連会社に派遣する管理職や専門職の幹部社員を対象としたもので、家族を伴って赴任できる。中国人従業員にとって、買収した米国企業への赴任は「ある種のボーナスとみなされている」という。

 米移民法律事務所の創業者のベルナード・フォルフドルフ氏は、「われわれは巨大な波が押し寄せてくるのを目にしてきた。中国企業は米国で巨額の投資を行うとともに、主要な役員や社員を連れ込んでくる」と指摘。中国人従業員の急増は、中国企業による米国企業の“爆買い”と密接にリンクしていると分析している。

 中国企業による米国企業の買収は、昨年が約120件で総額170億ドルだったが、今年はすでに294億ドルに達しており、勢いはとどまることをしらないという。

 中国人向けのビザ発給をめぐっては、米政府当局が申請の急増を受け、永住権を伴う「EB−1」ビザについて受付を停止しているほか、米国で最低50万ドルを投資すれば永住権が与えられる「EB−5」ビザも、中国人向けの枠が埋まり、閉ざされている。

 米国移住のハードルが高くなるなか、米国内に子会社や関連会社があれば比較的簡単に好条件で発給される「L−1」ビザの人気が高まっているようだ。それどころか、役員や幹部社員が米国への移住を主な動機として、米国企業の買収を推し進めている可能性がある。

 

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