【喫煙を考える】受動喫煙“いいとこどり”数値化 喫煙者の“数百分の1程度”の報告も

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2016.08.23

喫煙を考える
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 今年5月31日の「世界禁煙デー」に厚生労働省の研究班が、受動喫煙の影響による死亡者数が国内で年間約1万5000人に上るとの推計を発表した。「受動喫煙のリスクを数値で示すことで国民にもっと危機感を持ってもらいたい」というのが理由だ。

 しかしこの推計値は、年度も国も異なるさまざまな研究結果の“いいとこどり”で算出されており、過剰な見積もりになっていると指摘する声も多い。

 例えば算出指標の一つに使われている「非喫煙者の受動喫煙の曝露割合」(男性は家庭6・2%、職場29・4%、女性は家庭31・1%、職場18・2%)はアンケートに基づくもの。ここでは、ほぼ毎日曝露されたと回答した人も月に一回未満と回答した人も混在した割合であり、正確性に欠けるものである。加えて、家庭と職場で受動喫煙があると回答した人が重複して加算されているといった問題点もあり、過大に見積もっている可能性がある。

 さらに次のような調査もある。受動喫煙の影響の一つに肺がんが挙げられるが、2011年に国立がん研究センターが発表したJPHC Study「がんのリスク−放射線、ダイオキシンと生活習慣」によると、受動喫煙(非喫煙女性)による全がんリスクが1・02〜1・03倍なのに対し、野菜不足によるリスクは1・06倍、塩分の摂りすぎは1・11〜1・15倍、運動不足は1・15〜1・19倍、肥満は1・22倍、痩せすぎは1・29倍、飲酒は1・4倍と報告されており、一般的な生活習慣で指摘されるものの方が高いのだ。

 「だから受動喫煙は問題視するほどではない」というわけでは決してないが、たばこの健康影響ばかりがクローズアップされて他のリスク要因に対して“油断”が生じる方がよほど問題といえる。

 受動喫煙とは、たばこの先端から出る煙などが空気中で拡散し薄まったものを周囲にいる人が吸い込むことをいうが、その量は、喫煙者が吸い込む量の数百分の1から数千分の1程度であるという報告もある。一方では、部屋の壁面や家具、衣類などに付着したたばこ煙成分などを吸い込むとする「3次喫煙」なる話までも取り上げられるようになっている。喫煙をめぐる問題はますます複雑化していく様相だ。

 

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