「御用」の役割すら回ってこない日本の経済学者 まずは大外れ予測の反省を (1/2ページ)

2016.08.24

 「日本の経済学界の意見が安倍晋三政権で反映されていない」と嘆くような報道があった。そもそも日本の経済学界はこれまでの政策決定でどのような役割を果たしてきたのか。そして安倍政権が距離を置くのはなぜだろうか。

 筆者のように元官僚で、政策担当の経験がある者からみれば、経済政策を策定、実行するうえで経済学者の助言はあまり意味がない。というのは、経済政策の基本となる経済原理については、すでにわかっているものばかりで、新しい考えは不要だからだ。

 経済政策で重要なのは、実施に向けての実務的な案と政治プロセスだ。このため、経済学者は、役所の意見をサポートする世論対策に使うのが基本である。要するに御用学者である。

 もっとも、経済学者の機嫌を損ねてはいけないので、政府の審議会に入れて、そこで経済政策を作った形をとることで顔を立てることが多い。

 そのため、各省庁では担当分野での学者との交流にはかなり力を入れている。省庁の審議会や研究会に入ってもらい、国内外の調査出張の際に人間関係を作るほか、委託研究という形で予算をバラまいたり、時によっては有力学者のゼミ生の就職斡旋(あっせん)もする。

 特に財務省では「先物買い」といって、若手学者にもかなり接触を図る。その中から、有力学者が育っていき、立派な御用学者になるというわけだ。

 こうした意味では、日本の経済学者は政府からは以前から信用されていないといえる。

 ただし、冒頭のような報道の背景には、消費増税の延期をめぐり、安倍政権が従来の御用学者を使わなかったことがある。

 

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