ソフトバンクグループの孫正義社長(59)は6日、ドナルド・トランプ次期米大統領(70)とニューヨークのトランプタワーで会談し、米国内で500億ドル(約5兆7000億円)を投資し、5万人の新規雇用を創出すると表明した。「究極のトップ営業」の裏には孫氏のしたたかな野望がうかがえる。
トランプ氏が米大統領選後に日本の大企業経営者と会談したことが明らかになるのは初めて。孫氏が共通の友人に依頼して実現したという。
トランプ氏の住居があるトランプタワーで行われた約45分間の会談後、記者団の取材に応じた孫氏は、投資や雇用創出の計画を説明したと明らかにしたうえで「米国内のベンチャー企業に投資する」と話した。また、規制緩和を支持するトランプ氏の大統領就任を祝いたいと同氏に伝えたとも明かした。
一緒に姿を現したトランプ氏は、孫氏を「産業界で偉大な男の一人だ」と持ち上げた。ツイッターでは「われわれが選挙で勝たなければこんなことは決してしなかっただろうとマサは話した」とつぶやいた。
ソフトバンクは、サウジアラビアの政府系ファンドの出資も受けて最大10兆円規模のファンドを立ち上げるなど、AI(人工知能)をはじめとするハイテク関連への投資に積極的だ。