トランプ流の脅しが効く理由 政府の権限を交渉に利用、軍事大国以外にまねは難しい (1/2ページ)

2017.01.21

ドナルド・トランプ氏(AP)
ドナルド・トランプ氏(AP)【拡大】

 ドナルド・トランプ氏は、米国外で生産して米国に輸入する企業の製品に高関税をかけると主張し、海外の工場新設を撤回させたり、米国内の新規雇用を約束させたりしている。果たして、日本など他の国でも、同様の措置を取ることは可能なのだろうか。

 以前の本コラムでも書いたように、トランプ氏が打ち出している高関税路線は、実務的にはかなり難しい。

 米国、日本を含め世界のほとんどの国は、世界貿易機関(WTO)に加盟しており、そこでは、自由貿易推進のための「無差別原則」がある。これによって、関税は第三国に対する優遇処置と同様の処置を供する最恵国待遇が与えられ、一国、一企業だけを差別することはできない。

 この無差別原則にも例外はある。輸出国の補助金を受けた輸入貨物に対する「相殺関税」、ダンピング価格で販売された貨物の輸入に対する「ダンピング防止税」、予想外に増加した輸入貨物に対する「緊急関税」、自国の輸出貨物などに対して差別的に不利益な取り扱いをしている場合に実施する「報復関税」だ。

 ただ、これらを発動させるためには、WTO協定に基づく手続きが必要であり、今回のトランプ氏のような自国雇用優先の目的で関税を課すのは原理的には難しい。

 米国の大統領は、意外と権限が少ない。日本の首相や地方自治体の首長が持っている議会への予算提出権や法律提出権がなく、関税を実際に課すための法律案は、議会で多数派の共和党から提出してもらわなければいけない。共和党は伝統的に自由貿易を党是としており、こうした自由貿易に反する差別的な関税法案を提出する可能性はあまり高くないだろう。

 

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