MRJ開発「やめる」選択肢はないのか 納入延期で膨らむ開発費、遅れからエンジンなどの優位性もなく… (1/2ページ)

2017.02.06

米国での飛行試験のため名古屋空港から飛び立ったMRJの試験1号機=昨年9月
米国での飛行試験のため名古屋空港から飛び立ったMRJの試験1号機=昨年9月【拡大】

 三菱重工業は先月23日、子会社の三菱航空機が開発を進めている国産初のジェット旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の量産1号機の納入時期を、これまでの2018年半ばから2年延期し、20年半ばにすると発表した。

 従来の設計では「型式証明」(航空当局による機体の設計安全認証)の取得が日米とも難しくなり、機体の改修などに時間がかかるからだという。これで5回目の納入延期。これにより、現在3000億円規模と想定している開発費は、4000億から5000億円に膨らむ見通しだ。

 これに伴い、三菱航空機の森本浩通社長は3月31日付で退任。後任に三菱重工の水谷久和常務が就く「一新」人事が2日発表された。

 この件について、私が学長を務める「ビジネス・ブレークスルー大学」の大学院生から、「学長の予想通り、再度の納入延期になった。当初は09年に型式証明を取得して納入を想定していたため、これで10年以上の順延。『やめる』という判断はできないのか」などの意見が寄せられた。

 多くの賢明な人は、こう考えている。私も「続ける」というオプションは、もうないだろうと思う。

 ただ、経済産業省にもメンツがある。「ここでやめてしまうと、日本で永遠に航空機の開発はできなくなる」と言ってくるだろう。

 今回の延期の理由として挙げられたのは、一部装備品の配置の変更と、電気配線の安全基準を満たす設計への見直しだ。MRJは部品が100万点あって、これまでにも多くの部分に問題が発見されている。この100万点すべてを完璧にするというのは難しい。

 三菱重工の宮永俊一社長は「開発前に難しさをもう少し勉強すべきだった。情報収集やリスク分析が足りなかった」と反省の言葉を述べた。だが、もともと飛行機とはそういうものだ。旅客機を作るうえでの基本的なところがまったくできていなかった、と認めたことになる。

 
今、あなたにオススメ
Recommended by

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。