ところが、最近では、エネルギーも石油一辺倒でなくなり、石油価格も低迷している。このためサウジアラビア経済も苦しくなっている。
こうした原油市場の変化も、今回の国王訪日の背景にある。サウジアラビアと日本は経済構造が全く異なっており、補完関係にあるので、経済協力の点で一致できる分野が大きい。特に、サウジアラビアでは石油生産に依存しない「脱石油」に向けた経済改革が重要である。このため、サウジアラビアは日本からの投資や技術協力を受けたいし、日本としても親米国家なのでリスクが比較的少ないことから、投資増を図りたいところだ。
具体的には、日本とサウジアラビアは「日・サウジ・ビジョン2030」を取り交わした。それによれば、サウジアラビアが成長を目指す9つの分野について日本が投資や技術協力などを推進するとしている。
その一方で、日本は中東外交にも踏み込んでいる。日本の中東外交は「全ての国と仲良く」である。その観点でも、サウジアラビアとイランが1年以上にわたり国交を断絶していることは危惧すべきことであり、日本はサウジアラビア国王に両国の関係改善を促した。
これは、日本の対サウジアラビア投資のリスクを軽減する上でも必要なことである。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)




