「道徳的」な倹約や借金返済 みんなでやれば怖い結果に…政府債務は経済的に考える (2/2ページ)

2017.03.18

経済財政諮問会議に臨むコロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授=14日、首相官邸(斎藤良雄撮影)
経済財政諮問会議に臨むコロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授=14日、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】

 ところが、財務省は借金を道徳問題として扱おうとするために、政府債務をB/Sで説明せずに、B/Sの右側のグロス債務額だけで説明する。財務省の言いなりのマスコミも、政府債務をB/Sで捉える記事を書くことはほぼない。

 筆者は、20年以上前に政府のB/Sを作成した当事者であり、その公表を十数年前に行った。当初の問題意識は、政府債務の問題を、道徳に依存するのではなく、日銀を含めた統合政府のB/Sによって経済的に国民が理解できるような情報公開を行うというものだった。

 今月14日、政府の経済財政諮問会議で、ノーベル賞経済学者のスティグリッツ氏が意見表明した。その資料の中で「政府(日本銀行)が保有する政府債務を無効にする」という表現があった。この和訳は内閣府が行ったが、原文では「Cancelling」とあるので、「無効」ではなく「相殺」である。この意味は、政府債務を中央銀行を含めた統合政府のネット(資産を差し引いたもの)で見ろということだ。

 せっかくのスティグリッツ氏の意見なのに、財務省もマスコミも積極的に伝えていないようだ。財務省やマスコミは政府債務問題を道徳で見るということでもいいのかもしれない。しかし、経済的に見なければならない国民の立場にとっては大問題である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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