筆者は、こうした政治日程を考慮すると、近いうちに危険な事態が起きかねないと憂慮している。つまり、北朝鮮が在日米軍を名指しして、ミサイル4発の同時発射実験を行ったことを受けた、米軍による先制攻撃である。
さすがに韓国の大統領選中に実行するのは厳しいだろう。しかし、4月16日の告示前であれば、一応名目も立つ。反米政権の誕生を阻止できるかもしれない。
しかも、米韓合同軍事演習中なので、実戦を仕掛けやすい状況だ。過去にも、米国は演習中に実戦へ移行したこともあった。
今回の韓国大統領選では、次期大統領は当選後すぐに就任し、任期5年を務める。通常は設けられる「政権引き継ぎ委員会」はない見通しだ。保守から反保守への政権移行が予定されるので、相当の混乱が予想される。米国がこれに先手を打つこともありうる。
もっとも、このシナリオには米韓にとって相当のリスクもある。なので軽々には実行されないかもしれない。しかし、北朝鮮のこれまでの暴走をみると、米国にとって今の時期はラストチャンスともいえる。トランプ大統領の外交デビューとなるが、どのような判断になるのか、今後の世界秩序を占う意味で注目される。
北朝鮮の4発のミサイルは、米軍基地のある三沢、横須賀、岩国、沖縄を狙ったともいわれており、日本にとっても北朝鮮の脅威は目の前にある。万全の準備態勢が必要だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)




