日本郵政「買収失敗の本質」 無能経営者と素人官僚たちが高すぎる買い物に手を出した (2/2ページ)

2017.04.28

 だが、西川氏とともに、民間から来ていた人たちも日本郵政から追放された。

 その後、日本郵政は東芝で社長や会長を務めた西室泰三氏をトップに据えた。西室氏は形式的には民間経営者だったが、仲間をほとんど連れてこなかったので、実態は官僚組織による「官業」となってしまった。

 ちなみに西室氏は、東芝の相談役として同社を崩壊に至らしめた米原子力会社のウェスチングハウス買収に大きな役割を果たした。また、過去の不正会計問題の遠因ともなったといわれている。一方で、役所との関係もいいようだ。東京証券取引所会長になったり、財務省の財政制度等審議会会長を務めたりした。

 トール社買収案件の当時、筆者はこうした態勢を危惧して、高すぎる買い物で、純粋民間会社ならあり得なかっただろうと指摘した。

 今回は買収額と企業純資産の差額である「のれん代」を償却できないほど、トール社の収益がなかったのだ。派遣した4人の取締役が無能だったことと買収額が高すぎた結果としか考えられない。

 民営化の揺り戻しの「再国有化」の結果、大きな失敗につながる決断をした民間経営者と、素人の「官僚」集団が経営した悲劇である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 
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