中国新幹線、「はやて」ベースに独自開発主張 習近平指導部で初の大型プロジェクト 

2012.12.26


22日、中国政府がメディアに公開した北京−広州間の高速鉄道の列車=北京市の北京西駅(共同)【拡大】

 【上海=河崎真澄】中国の北京市から広東省広州市まで営業距離2298キロの大陸縦断コースを、直通列車が最短7時間59分で結ぶ高速鉄道の専用線(中国版新幹線)が26日、全線開通した。東京と博多を結ぶ東海道・山陽新幹線の約2倍の営業距離となり、中国鉄道省では「世界最長の高速鉄道」と喧(けん)伝(でん)している。この区間は在来線では、およそ21時間かかっていた。

 11月に発足した中国共産党の習近平新指導部にとっては初めての国家的プロジェクトで、国威発揚のチャンスとなる。昨年7月に40人が死亡した浙江省温州での高速鉄道列車追突事故で完全失墜した中国の鉄道イメージを挽回する狙いがある。鉄道省では「営業最高時速を設計時の350キロから300キロに抑えた」(鉄道省)などと運行安全性への配慮も強調している。

 高速鉄道列車は東北新幹線の「はやて」の導入技術をベースに、中国が独自開発したと主張する「CRH380A」などを投入している。鉄道省では、この路線での長距離運行の実績などもPRし、「中国製の高速鉄道」として車両や路線システムなどで本格的な輸出攻勢を始める方針だ。ただ、中国国内では温州の追突事故の徹底的な原因究明の進まぬまま、高速鉄道網の拡大を優先させているとして、批判もくすぶる。

 同日の全線開通で北京と鄭州(河南省)や武漢(湖北省)など5省の省都が一気に高速鉄道専用線で結ばれる。鄭州などの駅周辺では、住宅や商業需要を当て込み、鉄道省に連なる利権をもつ業者らが急ピッチで周辺開発を進めている。

 中国の高速鉄道の列車は一部が、同じ線路幅(標準軌)の在来線にも混在して運行され、この場合は「動車」など呼ばれる。高速鉄道列車以外は運行せず、時速300キロ以上の走行が可能な軌道は「専用線」として区別している。今月1日には黒竜江省ハルビンから遼寧省大連まで約950キロを、約3時間半で東北3省を縦断する高速鉄道専用線が開業した。この区間は70年以上も前に、当時の南満州鉄道(満鉄)特急「あじあ号」が世界最先端だった流線形の蒸気機関車「パシナ」などに牽(けん)引(いん)されて、約12時間半で結んでいた。