正恩氏、暗殺未遂事件か 女性警官異例の「英雄」扱いで広がる憶測 

2013.05.10


交通事故に巻き込まれたとされる金正恩第1書記。暗殺計画の一環だったのか(ロイター)【拡大】

 北朝鮮で女性警察官(22)に「共和国英雄」の称号が授与され、さまざまな憶測を呼んでいる。若い警官に最高クラスの称号が贈られるのは極めて異例。金正恩第1書記の乗った車が事故に巻き込まれ、事故は暗殺計画の一環だったとの見方もある。警官は正恩氏を救って表彰されたわけだが、専門家はこうした極端な表彰は「国家崩壊の前兆」との見解を示す。過去にベトナム、フィリピンで酷似したケースがあったというのだ。

 女性警官は平壌市を管轄する警察機関、市人民保安局の交通部門に勤務。北メディアは「革命の首脳部を決死の覚悟で守った英雄」と称賛する報道を繰り返した。

 「革命の首脳部」とは金第1書記を意味し、「不意の状況で英雄的犠牲精神を発揮し、その安全を守った」として「共和国英雄」の称号が授与された。ただ、具体的にどんな状況だったのかは一切報じられていない。

 韓国の聯合ニュースは9日、正恩氏の乗った車が何らかの事故に巻き込まれた可能性があると伝えた。「交通事故にみせかけた暗殺計画の一環」(韓国国防省関係者)との見方もある。

 航空自衛隊で情報分析に携わった軍事ジャーナリスト、鍛冶俊樹氏は「最優先で通される正恩氏の車が事故に遭遇するなどあり得ない」と指摘する。

 「交通が乱れた場面で、女性警官は正しい交通整理を行ったのだろう。暗殺未遂が事実なら、それが首都の平壌で起きるほど、内部の権力闘争は激化している。だが、反正恩派の勢力が強まり、むやみに粛清できない。そこで称号や賞を与えることによって忠誠を尽くすよう促し、周囲を固めている。極端な表彰や賞の乱発は危険なサインだ」

 鍛冶氏によると、ベトナム戦争末期のベトナム共和国(南ベトナム)は国民に対して賞を乱発。しかし1975年4月、サイゴン陥落で国が消滅した。フィリピンでも末期のマルコス政権がしきりに賞を出していたが、マルコス大統領は86年2月、ハワイ亡命で独裁政権が崩壊した。「賞や称号は崩壊を食い止めようとする最後の手段」(鍛冶氏)というわけだ。

 暗殺計画をしかけた反正恩氏派について、現代コリア研究所の佐藤勝巳所長は「中国の息がかかった勢力」とみる。

 「北朝鮮の核を放置すると、周辺国がこぞって核武装する核のドミノ現象が起きる。核の力を背景にした中国にとってはまずい事態だ。中国がいくら経済的に支援しても北が言うことを聞かないため、金正恩政権を倒す方向で動いている」

 韓国の朝鮮日報は9日、北朝鮮の金融機関に対し、中国の4大国有銀行すべてが口座閉鎖や取引停止の措置を取ったと報じている。中国からの資金ルートまで失い、金正恩政権はもはや崩壊前夜だ。

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